お客さんとの仕事

ぼくがまだ学生の頃の話。

 

大手チェーン系列の飲食店でバイトをしていました。お店の立地はなかなか良く、休日になるとお昼だけで何百人というお客さんの料理を作っていました。しかし人件費の観点からバイト人数は多くなく、唯一社員の店長は一か月に休みが3日ということもありました。大晦日も正月も仕事です。ぼくは朝9時から24時を超える時間までバイトをいていたこともあります(店長とプライベートで遊ぶほど仲が良かったから続いていたが)。

売り上げが良くても家賃や会社に献上金を捧げますので、現場で働く人の賃金は良いものではありません。バイト期間中にこの飲食店を経営する会社は過去最高の売上高になり、その強さの秘密とは?とかでニュースにもたびたび出ていました。

お客さんは安い、お洒落、家庭では作れない料理をお腹一杯に食べることを求めて来店されます。時には理不尽な怒りをぶつけてくる時もあります。それでも申し訳ございませんと謝るのです。

お客さんは払った対価以上に見合う満足を求めています。これは飲食店だけでなく、その他のサービスやモノにも当てはまります。

ぼくもお客さんの立場でユニクロに行くと、店員さんが忙しそうに働いています。デザインは好き嫌いありますが、機能の観点ではユニクロの服は安いです。ユニクロが値上げに踏み切ると売上が落ちました。値上げ価格でも妥当と思っていましたが、世間の目は厳しかったようです。

お客さんが知らないところで重労働をしている誰かがいます。それでも多くのお客さんは安さを求め、それがかなわないとそっぽを向かれてしまいます。

ユニクロ ブラック」で検索するとたくさんヒットします。ブラック企業で働き自殺した人には同情するのに、ぼくたち日本人はブラック企業に厳しいのです。この問題を解決しないとブラック企業は無くならない。